はったりで世界を席巻させた!? ビル・ゲイツはなぜ世界一のお金持ちになれたのか?

成功の秘訣② 競争はどんな手を使っても勝つ

 次に幼い頃のエピソードを見てみましょう。  彼はとにかく無類の競争好き、かつ異常な負けず嫌いで、トランプ、ジグソーパズル、ピックルボール、水泳、水上スキー、カーレース、テニスなど、さまざまなゲームやスポーツを行なっては、そのスコアや勝敗を競い合うのに夢中になったそうです。  そしてそうした性格は大人になっても変わらず、ビジネスマンになってからはもっぱら「時間」を競うことに夢中になっていたと伝えられています。  例えば飛行機に乗る際は、だいたい離陸時間の5分前に会社を出るというのが常だったそうで(空港近くにオフィスがあったとはいえ)、そのために彼の秘書はゲイツが時間に間に合うかやきもきすることのないよう、離陸時間を実際よりも15分早めにゲイツに伝えていたと言います。  また、車の運転に関しても、彼はスピード狂としても知られており、どこに行くにも時速130km以下で走ることはなく、彼の友人は「彼は車の最高速度をテストするのが好きだった」と証言しています。また同時に、ゲイツの友人は誰でも1度はゲイツの愛車に乗って恐怖体験をしているとも述べています。  彼のこうした競争好きで負けず嫌いな性格はビジネス上の取引にも色濃く反映されています。彼の取引スタイルは「顧客が疲れておとなしく同意するまで押しまくる」というスタイルで、それがあまりに激しすぎて取引が不成立に終わることもしばしばあったそうです。  そこで、ビル・ゲイツはマイクロソフト社の最初のマーケティング部長であるスティーブ・スミスと作戦を練り、刑事ドラマなどでよくあるような「鬼刑事」役と「仏の刑事」役を演じることにしたそうです。  すなわち、鬼刑事役のゲイツ氏はその取引に厳しい立場で臨む最終決定者として向き合い、スミスはそれに対して、顧客の機嫌をとりながら実際の交渉を行なう仏の刑事のようなスタンスをとります。そしていざ、交渉が難しい局面になると「ボスであるゲイツが厳しすぎて自分ではどうにもならない」と泣き言を言って、ゲイツを悪者にしながら交渉を有利に進めるという訳です。  この作戦は大成功し、このペアで大きな契約を多く成立させて、初期のマイクロソフト社の発展に大いに貢献したと言われています。
次のページ
最後の成功の秘訣は?
1
2
3
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会