ネパール移民のネルバダさん(左から二番目)は「ネパールでも男女差別が深刻。この日を機に意識が高まってほしい」と話した
日本でも男女格差が叫ばれるようになった昨今、「国際女性デー」に合わせて各地で女性をテーマにしたイベントが開催されるようになった。
しかし、昨年10月に世界経済フォーラムが発表した「世界男女格差レポート2016」によると、日本の男女格差指数144か国中111位(110位:ネパール、112位:カンボジア。東アジア最高位はフィリピンの7位)。低順位だった一昨年の101位からさらにランクを落とし、主要7か国(G7)の中でも最下位が数年続いている。女性の管理職や国会議員の少なさから、政治経済分野の格差は特に大きい。
近年、日本では「女性専用車両」や「レディースデー」、「女子力」などといった、女性に特化したサービスや言葉が浸透してきている。
本来、女性の社会進出の手助けとなるはずのものが、偏った使い方を続けることで、「女子=弱者」という縮図を作り上げ、性差別を助長してしまう結果となりうる。
社会的には性別が原因で諦めざるを得ないことも多くあるかもしれないが、一人ひとりが「女性/男性だから」という考えから脱し、「個」を意識していくようになることで、解決策が生まれてくるのかもしれない。
<取材・文/橋本愛喜>