紅白出場、プロレスラー、農家。究極の兼業レスラー、その名もnobodyknows+のノリ!

新たな戦場は、畑!

ワラジならぬレスリングシューズで、相手を蹴り抜く

 プロレスラーとアーティスト、二足のワラジでも驚愕だが、ノリはさらに三足目も手に入れる。それが冒頭でふれた農業だ。愛知県には美味しく安い野菜がたくさんあるのに、ほとんどの人がスーパーで他地域産のものを買っている。  もっと愛知の野菜を知ってほしい。ならば、プロレスと同じく自分でやればいい。ノリは同級生と青果店を始め、自ら野菜を買い付けて販売するようになる。  ノリの実践主義は止まらない。さらに野菜を販売する側から作る側にまわった。愛知県長久手市の農業法人・Taskファームに入り、野菜の栽培をイチから学び始めたのだ。紅白歌合戦やバトルロイヤルとは異なり、対戦相手は人ではなく自然だ。  当初は言葉の通じない相手に苦戦した。しかし経験を積み重ね、今では愛知県内に野菜を出荷する、立派な農家だ。販売店ではメインイベント級の重要スペースに置かれている。

取材時はたくさんの葉ものが陳列されていた

 ノリにとって、音楽もプロレスも農業も同じ表現活動だ。自分の好きなものを知らしめるために、自分がやってみせるのだ。

地産地消のプロレスラー

 ノリはめったに愛知・名古屋以外で試合はしない。自分と名古屋のプロレスは、他地域にひけをとらない自信があるからだ。ノリはこう語っている。「プロレス内におけるカウンターカルチャーとして、東京や他地域のファンを名古屋に来させたい」と。

豪快な必殺技、フルネルソンバスター

 ノリの闘いは驚くほどシンプルでクラシカルだ。必殺技は相手を羽交い締めで持ち上げ、真っ逆さまに落とす「フルネルソンバスター」と、古典技「バックドロップ」。作る野菜と同様、シンプル極まりないが味わい深いプロレスだ。  ノリはライブと重なる日をのぞき、毎週水曜日20時から名古屋・スポルティーバアリーナで試合をしている。ぜひ一度観てほしい。今の時代に黒のショートタイツとシューズのみを身にまとい”ココロオドル”闘いをする男がそこにいる。 <文・たこ焼きマシン> 【たこ焼きマシン】  名古屋在住のローカルプロレス探求家。ローカルプロレスファンサイトたこ焼きマシン.comスーパーたこ焼きマシン.comを運営。 北海道から沖縄、台湾まで未知のプロレスを求め観戦に遠征する。ご当地プロレスラーガイドブック『ローカルプロレスラー図鑑』をクラウドファンディングで発行。オンラインストア  元・小中学校教員、障害者職業能力開発校講師。夢は世界中すべてのご当地プロレスを観戦しての『ワールドローカルプロレスラー図鑑』制作。
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