政府の定義するギャンブル依存症対策には精神医学的根拠が乏しい

安達夕
ギャンブル依存症

ギャンブルだけに限った依存症を定義することは困難

 これまで2回にわたり、ギャンブル依存症対策の展望について考察してきた。 

 そもそも「依存症」とは何か?現時点で厚生労働省の定義は以下の通り。

「ある物質あるいはある種の物質使用が、その人にとって以前にはより大きな価値をもっていた他の行動より、はるかに優先するようになる一群の生理的、行動的、認知的現象」

 わかりやすく説明すると、(A)にとてもハマッている。(A)をすることで自分や他人に被害が出ている。そのことを認識している。が、その(A)をやめられない。この場合(A)への依存という。

 ちなみに、「病的賭博(≒ギャンブル依存)」に関する定義もある。

 病的賭博(ギャンブル依存)は、社会的、職業的、物質的および家庭的な価値と義務遂行を損なうまでに患者の生活を支配する、頻回で反復する賭博のエピソードから成り立っている。この障害を有する人びとは、自分の仕事を危機に陥れ、多額の負債を負い、嘘をついたり法律を犯して金を得たり、あるいは負債の支払いを避けたりすることがある。

 患者たちは、賭博をしたいという強い衝動を抑えることが困難であり、それとともに賭博行為やそれを取り巻く状況の観念やイメージが頭から離れなくなると述べる。これらの没頭や衝動は、生活にストレスが多くなると、しばしば増強する。

 ※医学的定義では「いわゆるギャンブル依存症」は行動の障害に含まれており、依存症には含まれていない。(ICD-10 精神および行動の障害 臨床記述と診断ガイドライン、1993)

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「依存症四天王」には共通点がある

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