稲田防衛大臣と国有地払い下げ事件の塚本幼稚園を結ぶ「生長の家原理主義ネットワーク」――シリーズ【草の根保守の蠢動 特別編】
『日本会議の研究』のもとになった連載「草の根保守の蠢動」では、過去に2回、稲田朋美防衛大臣について大きく取り上げた回がある。
●安倍政権を取り巻く「改憲勢力」の淵源――シリーズ【草の根保守の蠢動 第21回】
●稲田朋美と「軍歌を歌う幼稚園」を結ぶ、「生長の家原理主義」ネットワーク ――シリーズ【草の根保守の蠢動 第22回】
である。
この2つの記事では、生長の家の経典『生命の実相』を振りかざしながらスピーチする稲田朋美の写真と、戦時歌謡を歌う塚本幼稚園の園児たちの写真を振り出しに数々のエビデンスを並べ、稲田と塚本幼稚園の両者が、生長の家原理主義者集団と深いつながりを持つことを立証した。
ただし、この記事を公開した狙いはあくまでも「稲田朋美と生長の家原理主義者集団との繋がり」「塚本幼稚園と生長の家原理主義者集団との繋がり」を立証すること。そのため「生命の実相を振りかざす稲田朋美の発言そのもの」までは踏み込まなかった。
しかし、前述の記事公表当時は政調会長だった稲田朋美は、その後、栄進を重ね、今や、防衛大臣。もはや彼女の発する言葉の重みが違う。そして稲田は一昨日の衆議院予算委員会で答弁にたち、立憲主義の根幹を否定するような発言を行った。(参照:「立憲主義を愚弄する稲田朋美防衛大臣は、即刻、辞任すべきである!」)
立憲主義を真っ向から否定する稲田防衛大臣のこの発言を踏まえると、前掲記事で写真を紹介するのみにとどまった「生命の実相を振りかざしながら行ったスピーチ」の内容が、俄然気にかかる。
彼女が生命の実相を振りかざしつつスピーチを行ったのは、2012年4月30日に靖国神社・啓照館で開催された「谷口雅春先生を学ぶ会」主催の「第6回東京靖国一日見真会」なるイベント。当時の彼女は、初当選から7年たったとはいえ、まだ2年生議員でしかない。党内の役職も副幹事長でしかなく、まだ陣笠議員と呼んでも差し支えない状況だった。その彼女が、「谷口雅春先生を学ぶ会」に属する生長の家原理主義者たちに、何を語ったのか。
彼女の言葉を確認するため、以下に、そのスピーチの全文書き起こしを掲載する。書き起こしに当たって元としたのは、YouTubeで公開されている「ダイジェスト 第6回東京靖国一日見真会」と題された動画だ。あらかじめ断っておくが、「標準のYouTubeライセンス」で公開されているこの動画は、稲田朋美スピーチの主要部分しか収録されていない。そのため、以下に掲載する書き起こし文は、彼女のスピーチの全文ではない。だがそれでも、彼女が陣笠議員だった頃から、極めて奇怪な憲法意識を持っていたこと、そして、憲法秩序を愚弄していたことが、一読すればわかるだろう。
拙書
『日本会議の研究』 「右傾化」の淵源はどこなのか?「日本会議」とは何なのか? |
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