「昼飯はスーパーのほうが安い」と怒るカレン・ロバート
しかし、何の実績もなく娑婆に放り出されたとき、今度はそれが仇になる。結局、学歴があればこそ立てるスタートラインというのが世の中にはいくらでも存在する。筆者は出版業界で数少ない高卒の一人だが、今まで仕事で付き合ってきた編集者を思い出すと専門学校卒は一人いたがあとは全員大卒だ。それも三流大学・”駅弁大学”の類は皆無だ。
ただ、彼にはまだ救いがある。周りに友人や家族がいて、その伝手でこうして私や友人保険営業マンみたいに余計な世話を焼くお節介がいるわけだ。
よくよく話を聞いてみると、彼はまだ海外に行ったことがないという。私は海外旅行を勧めた。時間だけはあるわけだから、一か月くらい放浪して自分を見つめ直し、違う価値観に触れてくればよい。彼がサッカーで達成できなかった夢を実現してくれれば、今後のサッカー選手のセカンドキャリアの手本となる。そうなることを願ってやまない。
話を戻すが、カレンの節約ぶりは徹底している。
「ついさっきも、スタッフに怒ったんですよ。僕は昼飯をここのスーパーで買ったんですが、あちらはコンビニで買ってるんですよ。それ違うだろ、スーパーのほうが安いし、とね」