30歳前後で引退を余儀なくされたJリーガーに3つの進路を提案
全くの偶然だが、筆者はカレンと会う数日前にとある元サッカー選手の再就職相談にのっていた。JFLとJ3を行き来して、29歳で引退となった選手で、実績も知名度も無に等しい。
筆者は彼に三つのルートを提案した。
一つ目に、サッカーアカデミーのコーチ。
王道であり、あまりにもベタだが、サッカーに関わり続けられる。筆者には幸い、カレンを含めアカデミーをやっている友人もいる。
「最近は多すぎて渋滞気味ですけど」とカレンは言うが、いざとなれば知人の知人で中国に住み着いてサッカーアカデミーを成功させている人物もいる。興味があれば紹介しようと思っていたが、本人曰く「サッカーはもういいです」という。
二つ目に、競輪選手。最近は競輪学校に入学する際も年齢制限がなく、サッカー選手ということは故障さえなければ並み以上の運動能力・下半身が備わっているはずだ。話題性もあるだろうし、筆者に知人には競輪でトップクラスに入る選手もいる。何より、頑張れば五十前後まで年収一千万程度、細く長く稼げる競技というのはなかなかない。これはどうかと勧めると、競輪は気が向かないという。
三つめは、保険営業マンである。かつて若くして故障で挫折した元メジャーリーガーのフランク・ベトガーが大成功して以来、特に技能がない元スポーツ選手がよく進む道である。考えてみれば、外国語だのプログラミングだのは知らないかもしれないが、元スポーツ選手ということで、地元では今も「おらが街の大英雄」である場合が多く、顔も広く話も聞いてもらいやすい。友人の凄腕保険営業マンに同席してもらい、仕事内容などを話してもらうと、成果を上げれば何千万、億の収入も夢ではないと聞き、少し興味を持ったようだった。