大阪環状線「45年ぶり」の新造車・323系デビュー!「改造プロジェクト」で西の大動脈はどう変わる?

「改造プロジェクト」進める環状線、各駅も全面リニューアル

 新車両導入でイメージの一新を図る大阪環状線であるが、その変化は車両のみに留まらない。  JR西日本は、2011年5月に環状線の起点である大阪駅に新たな駅ビル「大阪ステーションシティ」を誕生させたことに続いて、2013年には「大阪環状線改造プロジェクト」を発表。同プロジェクトでは、大阪環状線を「行ってみたい」「乗ってみたい」線区に改造し、大阪そのもの活性化を目指すことを目標としており、その一環として、大阪の力強さをアピールするデザイン電車「OSAKA POWER LOOP」の運行や、人気漫画「進撃の巨人」とコラボレーションしたトイレ改良事業、薄暗い高架下をアート空間に変えるなどいった様々な企画を実施するとともに、各駅の全面リニューアルを推し進めている。

駅に掲げられた「大阪環状線改造プロジェクト」のバナー旗

 その改造プロジェクトにおいて「モデル駅」となっているのが森ノ宮駅だ。  森ノ宮駅は1932年に開業。大阪市営地下鉄中央線・長堀鶴見緑地線との乗り換え拠点でもあり、1日5万人もの乗降客(市営地下鉄含まず)がある環状線内における拠点駅の1つだ。同駅は大阪市中央区の大阪城公園近くに所在しており、周辺には大型医療機関やオフィス、住宅のほか、2015年には駅近くの日生球場跡に東急グループの大型ショッピングセンター「もりのみやキューズモールBASE」も誕生。NHK大河ドラマ「真田丸」の影響も相まって、乗降客は増加傾向にある。しかし、一大ジャンクションでありながら、その内外装は大阪環状線内の多くの駅と同様にほぼ国鉄時代のものを引き継いだままだった。そこで、改良のモデル駅として選ばれたのが当駅であった。

全面改良された森ノ宮駅。各駅の改良に当たっては高架下の積極活用も行われ、便利な駅となる

 まず、2013年9月には駅改良第一段として、近年は積極活用されていなかった高架下部分も利用するかたちで駅併設の商業施設「ビエラ森ノ宮」が開業。その後、駅構内の機能面を中心とした改良を進め、2015年5月に全体のグランドオープンを迎えた。
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モデル駅の森ノ宮駅
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バナー 日本を壊した安倍政権
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