「選手個々人のレベルアップ、そして結果も両方目指す」と掲げられた湘南ベルマーレのベトナム遠征は、12月3日の初戦から10日間で5試合というタフな日程を乗り切り、日本勢初のBTVカップ優勝という形で幕を閉じた。
来月1月初に早くも開幕する国内リーグに向けて仕上げの段階に来ているベトナムのリーグチームやその他の海外クラブを相手に、コンディション・時期的にも難しい環境だった若い湘南メンバーが勝ち切ったことは、非常に大きな意味がある。奇しくも、2016年に湘南ベルマーレがスローガンとして掲げたのは「挑越」、そしてベトナムは漢字で書くと「越南」。文字通り「越に挑み、越で挑んだ」大会で、湘南は見事に「挑越」を遂げた。
日本代表はワールドカップ常連なのに、ACL等では近年アジアで十分にその存在感を示せないJリーグ勢。
親善大会であるBTVカップと同時期には、ベトナム代表の東南アジア覇者を争う、全国民注目のAFFスズキカップも行われていたため、ベトナム国内でも注目度が高いというわけではなかった。
とはいえ、今回ベトナムに「湘南ベルマーレあり、Jリーグのチームはさすがだ」という足跡をしっかり残していってくれたことに、そしてベトナムで湘南スタイルを生でみることができたことに、在ベトナム・湘南ベルマーレサポーターとして筆者は大変感激した。これを機に、湘南ベルマーレが、そして更に他のJリーグクラブが、ベトナムと、そしてアジア各国と交流を深めていくことを願いたい。
<今井 淳一>
1976年生まれ、神奈川県平塚市出身。JICA(国際協力機構)やコンサルタント会社等の業務で中国で5年、ベトナムに9年の業務経験。2016年よりベトナム・ハノイをベースにコンサルタント会社「ShonanVietnam」を設立。環境、農業分野などでのグリーンビジネス、アジアでの社会課題解決型ソーシャルビジネスを支援しつつ、アジア・ベトナムサッカー関連業務にも情熱を傾ける。Twitterアカウントは「@imajun」。
<アジアサッカー研究所>
東南アジアを中心としたアジア新興国と日本およびアジアの国々のさらなる発展のために、各国の取り組みをリサーチし、関係者に共有し、さらなる価値を創造していくことを目的として、人材開発とコンサルティング分野など、日本とアジアのサッカー交流を加速させるプロジェクトとして活動している。
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