そして昨年、両クラブの関係はビジネスの面でも大きな一歩を刻んだ。
セレッソ大阪のクラブ運営会社の出資者であるヤンマーがバンコク・グラスのスポンサーに、反対にバンコク・グラスを保有する企業と同グループであるタイの大手ビールメーカー「シンハービール」が、セレッソ大阪のスポンサーとなることが発表されたのだ。
これはヤンマーのタイにおけるマーケット拡大とシンハービールの日本マーケット拡大を視野に入れたもので、Jリーグ「アジア戦略」を新しい局面に突入させる大きな一歩だった。
タイリーグのスパンブリーFCと提携を結ぶ横浜F・マリノスも、タイのマーケットを意識した興味深い動きを見せるクラブのひとつだ。
「クールジャパン」を掲げる経済産業省と連携して、スポンサーであるジヤトコのタイランド社でサッカー教室を開催。アジア市場に興味を持つ同クラブのスポンサー企業の商品を現地でアピールするなどサッカーを通したアジア進出のサポートを試みている。また、タイの才能ある若手選手の短期留学生としての受け入れや、日本国内でのタイフェアの開催などさまざまな形でタイとの交流を深めることに力を入れている。