このように盛り上がった11月のGS株ですが、大統領選挙中はこのような結果になろうとは、なかなか予想できなかったでしょう。ヒラリー氏は以前からウォール街との強固なつながりが指摘されており、GSでも有料講演などをしていました。
ヒラリー氏に対して、「金に汚い」というイメージを持っている米国民は、今なお多数います。
そして、トランプ氏もこれを材料に選挙期間中、ヒラリー氏とウォール街の関係を批判してきました。アメリカに数多くいる反ウォール街勢力の有権者は、ヒラリー氏には投票したくなかったので、結果としてトランプ氏に投票した側面もあります。
しかし、選挙が終わってみればトランプ氏は路線を変更、GS関係者を政権の要職に据えています。しかも一人ではなく、複数人。民主党はこれを批判しているものの、ウォール街はトランプ氏の一連の行動に沸き、市場では楽観ムードが漂っています。
市場と政治は密接に絡み合っていることがよく表れた11月でした。今後もトランプ氏の動きを注視する必要があるでしょう。
<文・岡本泰輔>
【岡本泰輔】
マルチリンガル国際評論家、
Lingo Style S.R.L.代表取締役、個人投資家。
米国南カリフォルニア大学(USC)経済/数学学部卒業。ドイツ語を短期間で習得後、ドイツ大手ソフトウェア会社であるDATEVに入社。副CEOのアシスタント業務などを通じ、毎日、トップ営業としての努力など、経営者としての働き方を学ぶ。その後、アーンスト&ヤングにてファイナンシャルデューデリジェンス、M&A、企業価値評価等の業務に従事。日系企業のドイツ企業買収に主に関わる。短期間でルーマニア語を習得し、独立。語学コーチング、ルーマニアビジネスコンサルティング、海外向けブランディング、財務、デジタルマーケティング、ITアドバイスなど多方面で活動中。