そして、現在要職に就く可能性が指摘されているのがゲーリー・コーン氏。コーン氏はGSの現社長兼最高執行責任者(COO)です。
11月29日にはトランプ氏と会談。それからすぐ、トランプ氏の政権移行チームとの会談予定が立てられました。政権の要職に据えるための協議が行われているわけです。もしコーン氏も要職に起用されれば、3名ものGS関係者が政権の要職に就くことになります。このような政治イベントは、株価にも反映されます。トランプ氏が勝利した後、多くの銀行株と共に、ゴールドマン株も上昇しました。
11月8日に181.92ドルだったゴールドマン株は一週間後には211.19ドルまで上昇。約16%の上昇です。
そして、再び動きが起こったのが11月末。
30日にはムニューチン氏が財務長官になるということが分かり、さらに、トランプ氏の政権移行チームがコーン氏を政権の要職に据えることを検討しているということも分かりました。
その翌日の12月1日、GS株の終値は226.63ドル。11月8日から計算して、約25%も上昇したことになります。そして、この一連の上昇により、2007年以来の高値をつけました。実に9年来の最高値。2007年というとリーマンショック前となります。
ただ、米国の市場関係者と話してみると、このような上昇は永遠に続くものでなく、「政治イベントが一区切りすれば落ち着くだろう」という声が少なからず聞こえてきます。