一方、今回のスタイン氏の行動を評価しない米国民もかなりの数で存在します。著者がスタイン氏の行動を支持しない米国民の知人グループに意見を求めたところ、下記のようなコメントが返ってきました。
「この再集計のためにクリントンはいくら払ったんだ」
「不正を糺そう正そうと思ったのに、カネ金に汚いクリントンが勝利すると、逆に不正が多くなるぞ」
「トランプが勝った3州だけで再集計という時点でおかしいと思わないか」
事実かどうかは別として、クリントン氏がお金でこの再集計へとスタイン氏を動かしたのではないか、そんな考えを持つ米国民の声も聞こえてきます。「お金にクリーンではない」イメージがつきまとってしまった、クリントン氏の一面をここから垣間見ることもできます。
今回、専門家含め、多くの人が、選挙結果が覆る可能性は低いとしています。しかし、英国のEU離脱やトランプ氏の勝利と、今年はいろいろサプライズが多い年。最後まで何が起こるか分からないので、万が一に備えておく必要はあるのかもしれません。
<文・岡本泰輔>
【岡本泰輔】
マルチリンガル国際評論家、
Lingo Style S.R.L.代表取締役、個人投資家。
米国南カリフォルニア大学(USC)経済/数学学部卒業。ドイツ語を短期間で習得後、ドイツ大手ソフトウェア会社であるDATEVに入社。副CEOのアシスタント業務などを通じ、毎日、トップ営業としての努力など、経営者としての働き方を学ぶ。その後、アーンスト&ヤングにてファイナンシャルデューデリジェンス、M&A、企業価値評価等の業務に従事。日系企業のドイツ企業買収に主に関わる。短期間でルーマニア語を習得し、独立。語学コーチング、ルーマニアビジネスコンサルティング、海外向けブランディング、財務、デジタルマーケティング、ITアドバイスなど多方面で活動中。