現在、クリスティー氏の降格人事に影響を与えた人物は、ジャレッド・クシュナー氏だという意見が多数あります。
クシュナー氏はトランプ氏の娘、イヴァンカさんの夫で弱冠35歳のユダヤ系米国人です。ハーバード大学を卒業後、ニューヨーク大学でMBAと法学博士を取得。
トランプ氏と同様、親が不動産で財をなした資産家出身ですが、自らも不動産業で成功経験があるエリートです。そんなクシュナー氏ですが、彼の父親は、脱税、証人買収、違法選挙献金の罪で訴追され、実刑判決を受けています。この際のニュージャージーの検察官が、今回降格したクリスティー氏でありました。
そんなしがらみもあり、もともとクシュナー氏はクリスティー氏と信頼関係を築けていなかった。だから、次期副大統領候補でもあったクリスティー氏をそのポジションに推薦しなかったのも、クリスティー氏のはずだ。このような声も、米国では最近よく聞こえてきます。
そんなクシュナー氏ですが、以前にも注目をあびています。選挙対策本部長の解任劇の時も、クシュナー氏の影響力があった可能性があったということです。
6月にトランプ氏が選挙対策本部長であったコーリー・ルワンドウスキ氏を解任したという報道がありました。
ルワンドウスキ氏はトランプ氏のキャンペーンに最初から関わってきた重要人物。そんな影響力のある人物が解任されたのは、トランプ氏の家族、および、クシュナー氏がルワンドウスキ氏のやり方に賛同していなかった、とする報道が当時から出ていました。トランプ陣営関係者は全てこれらを否定していますが、これがもし事実であるとすれば、この解任劇を機に、クシュナー氏はますます影響力を強めた可能性があります。