一方の支出の総額は5000万ドル程度と収入よりはるかに小さい。その中で一番多いものはWikimedia財団の職員に支払われる給料、賃金であり、’15−16年で3000万ドル以上に上る。職員は300人足らずなので、平均すれば少なくとも1人あたり10万ドルの報酬を得ていることになる。これはなかなかの高給である。
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サービスの初期においては、サーバー代を支払えないために積極的に寄付金を募っていたWikimedia財団だが、インターネットホスティングの費用として計上しているのは現在では200万ドル程度で、人件費の10分の1以下にすぎない。
他にはAwards&Grants(褒賞と助成金)という項目が占める割合が大きく、伸びていることがわかる。’15−16年には10万ドル以上に達した。これは寄付金を受けているWikimediaが、逆にさまざまなところに支援を行うのにかけているお金である。そういった余裕も出てきたように見受けられる。
こうした収支状況で運営している結果、総資産は1億ドルに迫る勢いとなっている。負債はほとんどなく、実質的に無借金経営が続けられていると言える。
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Wikipediaのユーザー数は’00年代中盤から終盤にかけて伸びて以降、ほぼ横ばいを続けている。これから急激にサーバーを増やす必要などは出てきそうにない一方で、収入増が続いているので財務基盤はますます磐石となっていくだろう。