現在、微表情の知見は、交渉研究、マーケティング、ロボット工学、微表情を自動検知するカメラの開発と多岐にわたって研究・活用され始めていますが、微表情研究の多くが、ウソ検知のためであったり、テレビドラマの影響から、微表情がウソを見抜くためのツールだという認識が広がっています。
確かに、ウソをついている人と正直な人の証言を比べると、ウソをついている人の顔には「恐怖」「軽蔑」「嫌悪」「罪悪感」「幸福」の微表情が表れる傾向があることがわかっています。また、微表情を読みとる能力とウソを読とる能力とには関係があることもいくつかの研究からわかっています。
しかし、微表情という情報のみからウソの有無を即断することはオススメしません。微表情というのは、あくまでも抑制された感情の漏洩であり、ウソの証拠そのものではないのです。
ウソをついている人がウソがばれるのではないかと「恐怖」する一方で、正直な人も冤罪の可能性を「恐怖」します。ウソをついている人が自分のアリバイは完璧だと捜査官を「軽蔑」する一方で、正直な人も自分を信用しない捜査官を「軽蔑」します。