微表情だけでは相手のウソを即断できない。しかし、ある特定の場合には有効だった

ドラマでは犯人のウソを見破るツールとして使われている微表情だが、それだけで判断するものではないという

 書店に所狭しと並ぶ「ウソを見抜く」系の書籍の多さを見ると、「他人のウソを見抜きたい」という私たちの強い願望が垣間見れる気がします。ウソを見抜く手段として、言葉使いに注目したり、表情やしぐさなどの非言語情報に注目したりと様々あります。近年、そこに「微表情からウソを見抜く」という項目が追加されはじめました。  微表情とは、「抑制された感情が無意識のうちにフラッシュのごとく表れては消え去る微細な顔の動き」のことを言います。顔に表れている時間は、0.2秒ほどのため、訓練しない限り、意識的に見抜くことは出来ません。  さてこの微表情、最初に発見されたのは1960年代と意外に古い歴史を持っています。自殺願望を胸の内に秘めながら「もう自殺など考えていない」とウソをついていた患者の一瞬の表情から発見されたのがきっかけです。  当初、自殺防止の観点から始められた微表情研究ですが、犯罪容疑者の取り調べにも利用法が期待され、微表情とウソ検知との関連を探る研究が増大しました。2000年代の今日も、微表情からウソを検知するための研究は進歩の過程をたどっています(微表情からウソを自動検出するカメラまで開発されています)。
次のページ
微表情のみからウソを即断してはいけない理由
1
2
3
4
微表情を見抜く技術

無意識の感情の表われ「微表情」を読み取ることで、誰でもコミュニケーションの達人になれる!

ハッシュタグ
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会