ファストファッションの闇!? BBCがZARAなどの過酷な労働環境を報じる

 この報道にいち早く反論したのがZARAである。同社の親会社のインディテックス(Inditex)は、<BBCがゴアテックスの漂白洗浄工場における労働条件の不規則を報道する以前に、インディテックスは既にそれを検出していた>という。それは商品の安全規準を満たしていないということから、インディテックスでは<今年12月までの6か月間にその改善を義務づけた>。<それが満たされない場合は、この工場はインディテックスの生産工場のリストから外されることになる>と主張している。同社は<シリアのNGO難民支援センターと協力して同社の繊維工場で働く難民の置かれている環境解決に取り組んでいる>こともつけ加えている。(参照:『El Espanol』)  しかし、スペインの労働組合のひとつスペイン労働者委員会(CCOO)はインディテックスと契約している中国の現地工場の労働条件について厳しい評価をしている。  CCOOは、<毎週20-34時間の残業は習慣化しており、ひと月の残業は85-145時間>となっていることに強い憤りを表明しており、<月曜から土曜まで11時間の労働、日曜は8時間、ひと月に休みは2日間、バケーションは15日>、<これは中国の労働条件や国際労働機関が規定している条件を無視したものである>と指摘している。  ただ、CCOOの報告書では、<インディテックスやインダストリオール・グローバル・ユニオン(IndustriALL Global Union)が推し進めている手段を、中国の企業側で労働基準に取り入ようとしないことである>ということや、労働者側にインディテックスが要望していることが伝わっていないことも強調されている。(参照:『Dirigentes』『Economia Digital』)
次のページ
アジア全域で80万人が働く
1
2
3
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会