そんな背景を受けて急成長してきたのが、前述した2015年3月にマザーズ上場を果たした「日本動物高度医療センター」(Japan Animal Referral Medical Center: JARMeC)だ。
2005年に神奈川県川崎市に設立されて、2007年に同市内に本院を開業して以来、8年間で上場を果たすまでに急成長してきた。同センターは、高度な疾病を治療するための2次診療専門の動物病院という位置づけを標榜しており、同社と連結子会社の株式会社キャミック、JCアライアンス株式会社の3社で構成される。株式会社キャミックは、画像診断サービスを行い、JCアライアンス株式会社は、動物医療関連の物品販売やITインフラ整備の支援等を行っている。
また、動物医療界において「臨床や教育現場で活躍する人材の教育」の環境を整え、「動物医療技術の向上を担う臨床研究」にチャレンジし、地域の連携病院と協力して「高度医療(二次診療)」を提供することも目的にしているという。
「日本動物高度医療センター」は、一次診療施設からの紹介を受け、特定の専門分野を持った獣医師が、高度な医療機器を使用して、診察、検査、投薬、手術等の診療サービスを行う。サービスの提供を行った際に飼い主から診療費を受け取り、一次診療施設からは紹介料等は受け取らない。診療の途中経過及び結果を一次診療施設にフィードバックし、術後のケアや継続治療は一次診療施設で行ってもらう。
2016年6月末現在、「日本動物高度医療センター」と「連携病院の覚書」を締結した一次診療施設は全国に3118病院。二次診療を川崎本院(神奈川県川崎市)と名古屋分院(愛知県名古屋市)において行っている。