人間ドック並みの施設でペットを守る!「ペット向け二次診療専門医療機関」の可能性

 犬や猫の平均寿命が伸びてきていることも、二次診療専門の動物病院の成長の要因となっている。2016年9月、東京農工大と日本小動物獣医師会の大規模調査によると、日本でペットとして飼育される犬と猫の平均寿命が2014年時点で、13.2歳と11.9歳でそれぞれ過去最高だったことが分かったと報道された。25年間で、犬は1.5倍、猫は2.3倍に延びたとしている。ワクチン接種の普及などで感染症対策が進んだことなどが理由として挙げられている。室外で飼うよりも室内飼いの方が、平均寿命が長いという結果も得られている。近年、室内買いが増えていることも長寿命化の要因のひとつである。(参照:毎日新聞)  医療環境の改善が長寿命化に貢献したとしているが、長寿命になったためにこれまで症例の少なかった長寿命特有の病気が増え、それを治療するための高度な医療に対するニーズが増加していると言えよう。

ニーズが高まる一方で供給が少ない「動物向け高度医療」

 とはいえ、二次診療専門の動物病院は、数としては、まだ少ないのが現状である。月間30万人が訪れる日本最大級の動物病院口コミ検索サイト「Calooペット」などで検索してみても、二次診療専門の動物病院としてヒットするのは25件に過ぎない。東京都6件、北海道および神奈川県3件、埼玉県および大阪府2件で、青森県、岩手県、新潟県、岐阜県、愛知県、鳥取県、山口県、宮崎県、鹿児島県がそれぞれ1件である。  ちなみに、東京都6件とは、日本獣医生命科学大学動物医療センター、東京農工大学動物医療センター、東京大学附属動物医療センター、どうぶつ眼科EyeVet 、アニマルアイケア・東京動物眼科醫院、犬と猫の皮膚科。  獣医科大学付属病院が二次診療専門の動物病院となるケースもあるが、二次診療専門の動物病院に関して、需給ギャップは大きく、需要に対して、供給が足りていないのが現状である。
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急成長を遂げた「日本動物高度医療センター」
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