盛り上がりを見せるタイのサッカー界。ブームを支えるサポーターたち

――タイでも日本代表は人気があるんでしょうか? 小倉:注目はされているかもしれませんが、日本代表だから人が入っていたわけではありません。最近のタイではタイ代表戦自体がドル箱になっているんです。韓国との親善試合でさえ完売するなど、非常に人気があります 浜崎:若い選手が多く、代表選手に投資する人も現れています。ヘアカットやスタイリングにもスポンサーが付いてファッショナブルになってきました。今までなかったことがタイ・サッカーでも始まっているという流れを感じます

試合前に発煙筒に火を灯すウルトラと呼ばれる熱狂的なタイ人サポーターたち

小倉:メディア露出も増えてきていますね。男前の選手も増えて女性ファンも来るようになりました。昔はぱっとしなかったのが随分と華やかになった。タイ人は流行モノに乗るのが好きなんです。スタジアムでセルフィーを撮って『そこにいる私、かわいい』とやるコが多い。それを見た人がまた真似をするというわけです 浜崎:ユニフォームやスポンサー元の服を着てSNSにアップするので宣伝にもなるという、新しいビジネスが生まれています。それが流行りにもなってきています 小倉:タイ人は日本人以上に飛びつきやすいんです。新しモノ好きですね。しかし飽きっぽいところもある。だから、タイ代表にももう飽き始めているのではないでしょうか? 浜崎:確かに、すでに代表人気も陰りが見え始めている感じはあります  サッカーだけでなく、スポーツはカネを出してくれるスポンサーと、スポンサーへ宣伝効果をもたらしてくれるファンがあってこそ盛り上がるし、その分、選手が成長する。タイは以前よりは成長したとはいえ、選手もファンもまだまだ未成熟な部分があるのかもしれない。  今回、タイ代表の話をしてくれた両名だが、辛口ではあったもののタイ・サッカーを卑下しているのではなく、心の底から応援してもいる。 小倉:タイのサッカー自体が随分とおもしろくなってきていますよ 浜崎:タイ代表やPLTにもっと強くなってほしいとは思っています。ただ、日本の報道ではタイ代表やPLTに関して正直大袈裟なものが多いとは思います。ただ、決して成長は頭打ちではなく、実際に伸び代は十分にある。これからを見守っていきたいですね <取材・文・撮影/高田胤臣(Twitter ID:@NaturalNENEAM)>
(Twitter ID:@NatureNENEAM) たかだたねおみ●タイ在住のライター。最新刊に『亜細亜熱帯怪談』(高田胤臣著・丸山ゴンザレス監修・晶文社)がある。他に『バンコクアソビ』(イースト・プレス)など
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