盛り上がりを見せるタイのサッカー界。ブームを支えるサポーターたち

 9月に行われた日本代表戦も日本のメディアではかなり盛り上がっているとはされたが、実際は日本で報道されているのとはやや事情が違ったようだ。 ――当日は実は結構空席が目立っていたとか? 小倉:チケットは完売したようですが、あの日は雨も降ったため来なかった人も多かったようで満席ではなかった。それでも、公式発表では4万人以上来ているはず 浜崎:タイのホームなのでもちろん会場は日本人よりもタイ人が多かったですね。タイ人は通路や階段にも座るから、上の方は結構空いていて、ゴール裏は人がびっしりといた。だから、テレビでは満席に見えたかもしれないです 小倉:国際大会はホームとアウェイが分けられていて、全体の8%がアウェイ席になります。だから、日本人が少ないのは当然でしょう。別にアウェイのサポーターがホーム側に座ってもいいので、タイ在住日本人はそこにいたかもしれません 浜崎:タイ人は自分たちの周囲に外国人がいても排除する人たちではないですからね ――選手だけでなく、タイ人サポーターはどうだったんでしょうか? 小倉:日本から来たサポーターはタイの応援の仕方などにみんな驚いていました。タイ人サポーターは日本でもやっていないことを海外から積極的に取り入れています。タイ人はその点はおもしろいんですよ。柔軟性がある

国旗を掲げるタイ人サポーター

浜崎:メディアでは発煙筒に火を点けて騒ぐサポーターがいて、多いに盛り上がっていることを強調していました。確かに日本戦はかなり盛り上がっていましたが、規模は小さいけどあれはいつもやっていることなんですよ。会場にもよるがリーグでは毎試合あんな感じで、今回たまたま注目されただけじゃないかと。また、コアサポとはまた別にウルトラと呼ばれる熱狂的なファンたちが各チームに20人くらいいます。代表戦は各チームのウルトラが集まったので、大きな規模に見えたのかもしれません
次のページ
今はブームだが、不安はタイ人の国民性
1
2
3
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会