フィリピンの「ダーティ・ハリー」の中ロへの歩み寄りを警戒するアメリカ

白石和幸
 米外交問題評議会のメンバーのジョシュア・カーランジック氏は『El Confidencial電子紙』の取材に答えて、「フィリピンの軍事及び安全エスタブリッシュメントは極端に米国寄りであり、フィリピン外交の方向を変えることは許さない、と確信している」と語っている。(参照:『El Confidencial』)  それを裏付けるかのようにフィリピンのデルフィン・ロレンザナ国防相は「米国との同盟のメリットについて充分に知らされていないようだ。近く、それを大統領に伝えるつもりだ」と述べている。  大統領は警官と軍人への支援として<給与を3倍にする>ことを約束している。今も大統領の公式訪問の半分以上が軍事基地や警察署への訪問に充てているという。フィリピンはクーデターの起こり易い国である。ドゥテルテ大統領自身もそれを警戒しているようだ。そして、大統領を暗殺する計画もすでに練られているという噂もある。その意味でも軍部そして警察との接触を頻繁に保っていることが大事であるというのは大統領自身も熟知しているようである。ただ、軍部の一部では大統領が軍事外交に容易に方向転換しよとしている姿勢に不安を抱いているという。  今後、中国そしてロシアとの関係を深めるようになると、米国はドゥテルテ政権の転覆に動くのは必至である。何故なら、フィリピンは米国にとってアジアにおける、日本、韓国と同様に最重要の国であるからである。レーガン大統領の政権下で財務長官補を務め、現在世界政治の分析では高く評価されているポール・クレイグ氏も<ドゥテルテ大統領が中国のフィールドに移ることは米国が許さないであろう>と指摘している。(参照:『Katehon』) <文/白石和幸  photo by King Rodriguez/Presidential Communications Operation Office(CC0 PUblic Domain)> しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。
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