レンツィ首相は、今回の改正案を「全ての改正の母なるものだ」と位置づけている。(参照:『
El Mundo』)
また、今回の改正案の実施は国民の要望に即応しており、民主政治が出来る為には必要だとしている。その一方で、反対派は現在の議会制度は両議会が相互に監視する役目をしていることになり、民主政治を遂行して行く上で有効であるとしている。
(参照:『
El Confidencial』)
国民投票の結果、NOが勝利すると、レンツィは失脚し、現在のイタリア経済の不振と銀行危機とが重なって、イタリアの政治は厳しい局面を迎えることが予想される。そして、この危機の根源はユーロ通貨の加盟にあるという考えが発展して、英国と同様にユーロからの離脱を問う国民投票の実施へとつながる可能性さえ生まれ可能性もある。実際に、五つの星はユーロ離脱の是非を問う国民投票の実施を政策に挙げている。
レンツィの賭け。結果次第ではユーロ全体に衝撃を与えることになるのは間違いない。
<文/白石和幸 photo by
Francesco Pierantoni via flickr(CC BY 2.0)>
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。