ついに定まった一群の人々による「改憲への照準」――シリーズ【草の根保守の蠢動30回】
その集大成とも言える記事が、先日、『朝日新聞』に掲出された「(憲法を考える)家族の助け合いとは 枝元なほみさん、百地章さん、樋口恵子さん」と言うインタビュー記事だろう。
このインタビュー記事で、百地は、「日本は伝統的に祖先を大事にしてきました。絶対的な神よりも祖先を崇拝し、心のよりどころにすることが、道徳的な規範の一つにもなっていました」とした上で、「憲法に家族を規定すれば、(夫婦別姓などの)家族解体の運動を食い止めることができるのではないでしょうか」と言っている。さらには、「戦前の家制度の復活につながるという指摘もありますが、「戸主」の復活ではありません。伝統的家族の良さを見直そうということです。憲法24条にある「両性の合意のみ」の「のみ」は、結婚に対する戸主の同意を排除した規定です。」と、髙橋が『正論』4月号で展開したロジックと極めて似通ったロジックで、24条改正を主張してみせているのだ。
つまり……。髙橋の意見に、「一群の人々」の意見は収斂されたのだ。彼らは24条に改憲の目標を定めた。
もうすでに我々は知っている。「元号法制化運動」が成功した70年代後半以降、「一群の人々」こそが、日本の右傾化運動の中核であったことを。そして彼らの多岐にわたる運動が、極めて高い確率で成功裡に終わっていることを。
こうした彼らの来歴と実績を踏まえれば、今後の改憲運動が、「憲法9条」でも「緊急事態条項」でもなく、「24条改正」こそを中心として展開されていくのではないか?と予測するのが自然ではないか。
本丸は24条
『日本会議の研究』 「右傾化」の淵源はどこなのか?「日本会議」とは何なのか? |
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