ついに定まった一群の人々による「改憲への照準」――シリーズ【草の根保守の蠢動30回】
まずは百地。百地はアンケート回答文の中で、“国民多数の賛成が得られそうだから“”緊急事態条項を最優先すべき”と明確に言い切っている。この見解は、本稿冒頭で引用した船田元の発言に垣間見れる、自由民主党の改憲戦略と綺麗に軌を一にしていると言えるだろう。さすがは、自民党政権お抱えの憲法学者と言ったところだろう。
一方の高橋。高橋の回答文はもはや「エキセントリック」としか言いようがない。エキセントリックであるものの、極めて重要であるため、全文引用する
“憲法第二四条の草案は、ミルズ・カレッジを卒業後、アメリカの戦時情報局で、対日心理戦略プロパガンダの放送台本を書いていた二十二歳のベアテ・シロタ・ゴードンによって作成された。
世界の憲法でこの規定に近いものは皆無であり、ソ連やポーランドなど共産主義国の憲法だけが同様の規定を設けているにすぎない。
日本の男女の関係や家制度などについての固定観念(WGIPの土台となった論文や報告書の思想的影響を受けた)や偏見に基いて作成された憲法第二四条は根本的に見直す必要がある。
しかも、同条の成立過程を検証すると、日本側は次々に反論したが、GHQのケーディス民政局次長がその議論を巧みに封殺して押し付けたことが明らかになっている。こうした事実を踏まえた改正論議が求められる”
高橋は、9条でも緊急事態条項でもなく
“婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。”
と定めた、憲法24条を改正しろと主張しているのだ。
『日本会議の研究』 「右傾化」の淵源はどこなのか?「日本会議」とは何なのか? |
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