「アリオ」はセブンアンドアイホールディングスが展開する近郊型の大型ショッピングセンターで、セブンアンドアイホールディングスと三井物産が共同出資した「モール・エスシー開発」が運営、殆どの店舗が「イトーヨーカドー」を核店舗としている。
イトーヨーカドーでは「駅前・高層型」という旧来型の総合スーパーが不振な一方で、ショッピングセンターであるアリオは、比較的業績が好調だとされてきた。それにも関わらず、新規出店の凍結を行うのは、これまでのアリオの出店・経営戦略と大きく関係があるであろう。
アリオの店舗はイオンモールと比較すると「駅チカ」「近郊」が多い。「アリオ倉敷」(倉敷市)はペデストリアンデッキでJR倉敷駅と直結
アリオは2005年に1号店となる「アリオ蘇我」(千葉市中央区)が開業。以降、札幌(札幌市東区)、川口(川口市)、亀有(葛飾区)など、おもに大都市近郊地域や地方中核都市の駅周辺を中心に出店を進め、2011年には当時セブンアンドアイホールディングスCEOであった鈴木敏文氏と縁が深い長野県上田駅前にも出店。2016年4月に開業した「セブンパークアリオ柏」(柏市)まで18店舗を展開している。
このように、地方の純郊外地域への出店を得意とする「イオンモール」とは大きく異なり、アリオはイトーヨーカドーが得意としている足元商圏人口の多い大都市圏での近郊地域・地方中核都市中心部への出店を主体としてきた。
一方で、近年それらの地域では地価が上昇に転じ、さらに建築費や人件費の高騰も起きている。そのため、従来のコストでは、アリオの新規出店は難しい状態となっている。