【地域おこし協力隊の闇】国家資格があっても下働き、謎の“武闘派”職員、40歳で老人扱い

成果を横取りされた後に追い出される

   九州のある県に赴任したFさんはもともとWeb関係の仕事をやっており、面接では地元特産物のPR担当をするはずだった。ところが赴任したら話は変わっていた。  「今流行のふるさと納税の係になっていました。特産品を集めるために村を歩きまわり、農協を説得し、やっとWEBサイトの公開にまでこぎつけました。ところがそこからが泥沼でした……」  うまい魚介類で有名なこの地域は、ふるさと納税ブームに乗って爆発的な申し込みが入った。サイトを立ち上げてたった2か月で3000万円近い税収が舞い込んだのだ。そこで事件は起こった。  「ある日、村役場に出勤してみると年配の女性職員が自分の席に座っていました。そこで突然言われたんです。『この仕事は私がやるから、あんたはそこで封筒の袋詰作業でもしてろ』ってね」  税収が思いのほか大きく膨れ上がり、村役場はかつてないフィーバー状態。責任者であるはずのFさんのことなどすでに誰も見向きもせず、すべては総務課長の手柄になっていたという。  「あとで聞いた話では、その女性は総務課長の愛人と噂されていた人だったんです。サイトだけ作らせてあとは全部役場に取られてしまいました。地域おこし協力隊なんて所詮使い捨てですよ。良いところだけ利用されて総務から追い出されました。たった一人での地方移住ですからね。味方なんて誰もいません」
次のページ
”武闘派”の市役所職員の謎
1
2
3
4
5
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会