安倍首相と李克強首相がキューバ訪問。キューバを中心としたスペイン語メディアの評価は?

安倍訪問はどう評価された?

 前出の『Marti』紙は「安倍首相の訪問は、日本企業がキューバで投資をする為の道づくり」、「その投資は観光やインフラといった新しい分野での開発にも向けることが出来る」と報じ、「米国による雪解けにはまだ前進はなく、そして大統領選挙の結果への不安から、日本のような強力な国がパートナーとなってくれることはキューバ経済にとって酸素を吸入するように最大の重要性をもつことになる」と報じたことは、安倍の来訪=日本からの投資に大きな期待を寄せていたことが伺える。  安倍首相も記者会見の席で「日本はキューバにとって信頼できるパートナーになることを期待している」と述べ、また、「インフラ開発に品質の高さを提供し、国営そして民営事業相手の医療、農業、教育などへの投資の拡大をすることを示した」という。(参照」党機関誌『Granma』)  また、「キューバと日本との関係が米国によるキューバへの封鎖を前にどのように影響する」かという質問に、安倍首相は「この封鎖がより軽減されれば日本企業のキューバへの投資は増加する」と答えたことも同紙は伝えている。  9月23日付の『Infolatam』は、安倍首相による医療機材の供与の約束について触れ、「この供与は将来日本からキューバへの医療テクノロジーの輸出に扉を開くことになる」と評価している。  また、『America Economia』電子紙は「安倍首相の訪問は多くの日本企業がキューバに進出する扉を開くことになり、三菱商事は既に7月に事務所を開設している」と言及している。 『CubaInformacion』電子紙では、1970~1980年代に日本はキューバにとってソ連に続く第2の貿易相手国であったことを指摘し、その縁もあって<フィデル・カストロ氏が2003年に日本を訪問したことなどを報じていた。そして、ミゲル・ディアス・カネル・ベルムデス評議会第1副議長が今年6月に日本を訪問した際に同氏が「日本とキューバの関係はすばらしいものであるということが確かさをもって評価できる」と述べたことも同紙は伝えた。因みに彼はラウル・カストロの後継者と噂されている人物だ。  もちろん、希望的観測だけでなく、現実的な指摘もなされた。『Infolatam』は、「日本の首相の訪問は相互の関係の改善に努めることに日本が強く関心をもっていることの明白なる証しである」と指摘しつつも、「日本とキューバの関係は貿易取引でベネズエラに次いで2番目の中国との関係に比べればまだほど遠い」とも述べている。日本とキューバの貿易取引額は中国とキューバのそれのおよそ10分の1に過ぎないのが現実なのだ。  また、安倍首相の今回の訪問目的の一つとして、北朝鮮の核開発による脅威があることを報じるメディアもあった。  9月23日付『Infolatam』は、安倍首相がカストロ兄弟に北朝鮮の国際平和を脅かす核開発への不安を伝え、同国と良い関係を持っているキューバからの北朝鮮への対話を要請したことを報じ、また同国に拉致された12人の日本人についての早急なる問題解決に手助けを要望したことも伝えている。フィデル・カストロ前評議会議長との会談中に、、カストロが広島を訪問した時に「原爆の被害に強烈なインパクトを受けて残虐な核開発に終止符を打つ必要性があることを再確認した」と話したことも同誌は言及している。
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李克強の訪問への評価は?
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