米国では、2~19歳の31.7%が肥満とされており、健康志向の要請が強い。2010年2月、子どもの肥満防止キャンペーン「Let’s Move!」が、ミシェル・オバマ大統領夫人の呼び掛けで始まった。2030年までに、肥満の子どもを1970年代の5%まで引き下げることを目標に掲げている。(参照「
Let’s Move.org」)
肥満は糖分摂取と関係するが、問題なのは肥満だけではない。塩分の過剰摂取も問題として挙げられている。2016年6月1日、FDA(米国食品医薬品局)は、食品業界のための自主的なナトリウムの削減目標ガイダンス案を発表した。(参照「
FDA」)
ガイダンス案では米国人のナトリウム摂取量は1日あたり3400mgだが、これを2000mg未満にするように推奨されている。
ナトリウム、すなわち、塩分の採り過ぎは、高血圧の原因とされているのは広く知られているが、いまや米国人の3人に1人が高血圧である。高血圧は心臓病や脳卒中の主要危険因子となるとされており、今後10年間に米国民のナトリウム摂取量を40%減らせば、50万人以上の死亡が回避でき、1000億円ドルの医療費削減につながると説明されている。