「小池都政に協力すべきところは協力し、反対すべきところは反対していく」と宇都宮氏
例えば、カジノについては小池知事が推進であるのに対し、宇都宮氏は反対している。「カジノを小池知事が推進していることについてはどう思われますか」と聞くと、宇都宮氏はこう答えた。
「カジノは、ずっと私は反対してきています。私自身は多重債務者の救済活動をずっとやってきて、我々の団体も反対してきた。日本は、ギャンブル依存症が深刻な問題になっていますから、これ以上、ギャンブルの場を広げていくというのは非常に問題があるということで反対ですし、NHKでの(カジノ推進の)知事の発言は知らなかったのですが、もしカジノを進めるのであれば、反対の声を上げていく必要があると思います」(同)
宇都宮氏の立場は「小池知事が都民のための改革の立場を貫けば、意見交換などで協力はするが、“守旧派”と妥協したりカジノ推進をしたりすることがあれば、反対する」ということ。今後も是々非々で都知事や都議会を監視していくということだ。
※<要請書の項目>
(1)都政改革本部は情報公開を徹底する
(2)築地市場から豊洲市場への移転をいったん停止し、市場で働く関係者を含めた協議の場を早急に求める
(3)東京メトロ銀座線青山一丁目駅で視覚障害者の男性が線路に転落し、電車にひかれて亡くなった事故を受け、各鉄道会社にホームドアをつけるよう指導する
(4)福島第1原発事故の被害を受け都内へ避難している方々の声を聞き、避難者が希望すれば現在の住居に住み続けるようにし、都営住宅への入居優先枠拡大
(5)「待機児童ゼロ」は必要な予算をかけて着実に実施
(6)子どもの貧困解決に向け、都独自の給付型奨学金の拡充の速やかな検討、実施と、義務教育段階の給食などの教育費無償化を進める
(7)羽田空港増便により、都心部を航空機が低空飛行する問題については騒音、落下物、事故などの危険性への不安が出ている。危険性と不安払拭のための具体的措置を執るよう国側と交渉すること
(8)米軍横田基地へのオスプレイの、17年からの配備に反対すること
(9)都が整備を進めようとしている都市計画道路のうち、住民から強い反対や疑義が示されている建設計画はいったん凍結し、住民の理解を得ること
(10)福島第1原発事故から5年が経過した現在も、都立公園や都内各学校の放射能の除染、測定について不安を訴えている人が多いので、しっかり対応を進めてほしい
取材・文・撮影/横田 一(ジャーナリスト。小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する主張をまとめた新刊
『黙って寝てはいられない』<小泉純一郎/談、吉原毅/編>に編集協力)