大連のランドマーク的存在はなぜ市民不在のまま密かに撤去されたのか?

習近平体制内での権力闘争か?

大連を代表をする観光スポット星海広場(大連市政府公式サイトより)

 今回の華表撤去について大連の主要メディアは大きく伝えておらず、反対デモなども起こっていないが、SNS上では政治的な内容に触れないように気を使っていることを伺わせつつも撤去を惜しむ書き込みが多く見られた。  メディアでは中国国外で展開する法輪功グループ『大紀元』系列のメディアが大きく報じているくらいだ。大紀元が盛んに報じるのは、法輪功を全面禁止した江沢民元国家主席と薄煕来氏が同じ太子党で親交があったため敵討ちとばかりに大々的な薄煕来批判を繰り返している。 「華表の撤去自体は大連のビジネスや観光にはまったく影響はありません。(薄煕来時代に作られた)友好広場の巨大真珠を見ても薄さんを象徴していると思う大連の人はいないでしょう。薄さんを思い出すことはあっても今さら支持する人はいませんよ。時代は変わっていますから。ですが、市民不在な感じが寂しいですね。中国の政治はまだまだ社会主義なんだと改めて思います」(大連出身のソフトウェアエンジニア・男性)  強制撤去が実施された時期が、中国共産党の最高指導部と引退した長老らが会議をする北戴河会議の時期だったことから権力誇示のために利用された感もあり、何やら習近平体制内での権力闘争が激しさを増している兆しなのかもしれない。 参照:大連市政府公式サイト <取材・文・撮影/我妻伊都(Twitter ID :@ito_wagatsuma
1
2
3
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会