ベトナム対中関係悪化の裏で存在感を増す台湾と日本

我妻伊都

延々とバイクが続く帰宅時間のラッシュ。ベトナムの街は活気にあふれている

 8月上旬、ベトナム最大都市ホーチミン市に滞在する邦人の間ではある事件の話題で盛り上がっていた。7月23日、ホーチミン市のタンソンニャット国際空港の入国審査で中国人女性のパスポートへ「Fuck you」と侮蔑語を書き込まれたと7月26日くらいから中国のメディアで大きく報じられた事件だ。(参照:『新京報網』)

 中国では事件をトップニュース扱いで報じるもベトナムのニュースでは大きく取り上げられることもなく大きな温度差が生じている。

 問題となった中国のパスポートは2012年から発行された新しいパスポートで、この新しいパスポートの4、24、46ページには中国が一方的に主張する南シナ海での領有権を示す九段線が描かれており、ベトナムやフィリピンが猛反発している。ベトナム政府は、対抗処置として中国の新パスポートへは出入国印を押さないオペレーションを実施している。

 そのため、この事件に対してベトナムのインターネット上では、「よくやった!」「英雄だ!」とベトナム人が犯人だと認めた上で賞賛する書き込みも見られる。また、「中国の自作自演だ」「ベトナムの入国審査は確かに青色のペンを使うがタイや他国だって使う。どうしてベトナム人の犯行だと決めつけるのか?」などベトナム人が犯人ではないという書き込みなどが見られる。

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わりと「似た者同士」な中越関係

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中国バブル崩壊

現地駐在記者だから書けるリアルな真実

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