“NO BUSINESS, NO MUSIC.”――タワーレコードは生き残れるのか

平野健児

本場のスタイル×洋楽ブーム×シャワー効果で、日本でも大人気に

 そんなタワーレコードが日本に上陸したのは1979年。最初は小売ではなく、米国本社の一事業部として輸入レコードの卸売からのスタートでした。しかし、卸売業はあまりうまくいかなかったため、米国と同様店舗での小売に方針を転換、1980年に第1号店を札幌に、1981年には第2号店を渋谷(移転前、現在の東急ハンズの向かい辺り)にオープンします。  本場米国の雰囲気を持ち込んだ、広大なフロアに整然と並べられた豊富でリーズナブルな品揃えのレコード、店員による手書きPOPのレコメンドなど、スーパーマーケット型のスタイルは当時の音楽ファン達の注目を集めます。また、当時の日本ではレコード店というと、あまり良いイメージを持たれていなかったため、好条件のテナント等への出店は困難だったのですが、ややマニアックな存在だった輸入レコードが80年代の洋楽ブームで爆発的に売れ始めると状況は一転、タワーレコードには上層階でのシャワー効果を期待したテナントから出店依頼が相次ぎます。  1985年以降は、仙台、京都、大阪、福岡等、全国の主要都市に店舗を展開、1990年からはJポップやクラシック等も本格的に取り扱うようになり、大量の試聴機設置やインストアイベントの開催等、現在の音楽ストアのスタンダードとも言えるスタイルを築き、1995年には渋谷店が現在の神南一丁目に移転、音楽商材に加えて映像や書籍フロアも新設され、売り場面積1500坪、在庫枚数70万枚を誇る世界最大級の旗艦店が誕生しました。
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米国本社が倒産後、日本法人はNTTドコモと7&i傘下に
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