20分で400万円を売るセールスマンが読んでいる「空気」とは?

セールスマンが話したいこと≠お客様が聞きたいこと

 一つ具体例でご紹介しましょう。  セールスマンがお客様の新商品の紹介をしているシーンです。新商品のセールスポイントは5つ。限られた時間の中で全てのセールスポイントを言うべきか否か?  コミュニケーション上手なセールスマンは、セールスポイントを一つづつ紹介し、お客様の顔に嫌悪の微表情が浮かんだら、すぐさまお客様にとってそのセールスポイントが気にくわないものだと察し、そのセールスポイントに関してフォローを入れます。もしくは、興味・関心の微表情が浮かんだセールスポイントについて集中的に説明し、お客様の感情に沿った商品説明をします。  同じペース・同じ比重でセールスポイントを説明するのではなく、お客様の感情の向う先、興味の矛先に応じたセールストークが大切なのです。全てのセールスポイントを薄く説明するよりは、お客様が興味を示す2つか3つのポイントに絞って説明する方がずっと効率的です。もちろん、それには細やかな観察力、特に微表情検知力が強力なツールとなります。 <文・清水建二(しみずけんじ)> 株式会社空気を読むを科学する研究所代表取締役 1982年、東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、東京大学大学院でコミュニケーション学を学ぶ。学際情報学修士。 日本国内にいる数少ない認定FACS(Facial Action Coding System:顔面動作符号化システム)コーダーの一人。微表情読解に関する各種資格も保持している。20歳のときに巻き込まれた狂言誘拐事件をきっかけにウソや人の心の中に関心を持つ。現在、日本ではまだ浸透していない微表情・表情の魅力、実用例を広めるべく企業コンサルタント、微表情商品開発、セミナー等の活動をしている。また、政治家や有名人の微表情を読んで心理分析するなど、メディア出演の実績も多数ある。著書に『0.2秒のホンネ 微表情を見抜く技術』(飛鳥新社・7月22日発売予定)がある。 【ビジネスで活用する微表情学第6回】
1
2
3
4
微表情を見抜く技術

無意識の感情の表われ「微表情」を読み取ることで、誰でもコミュニケーションの達人になれる!

バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会