任天堂、「ポケモンGO」でも動じない。自由でお公家様な社風

 そんな同社だが、昨年ついにDeNAと提携し、「Miitomo」というゲームを延期の末にリリース。スマホのゲーム市場に参入したのが、今年に入ってのことだ。それから間もなく、「ポケモンGO」の大ヒットである。最初に書いたように、時価総額の高騰に市場は湧いているが、一連の流れを見るに、任天堂にとって今回株価が上がったのはあまり興味のないことかもしれない。  株価が10分の1になっても、やりたいようにやり続け、ようやくスマホゲームでやりたいことができる準備が整ったために参入。「ポケモンGO」は最先端のAR(拡張現実)の技術を使っており、3年前にスマホゲームに参入していてもできなかった。

マリオ、ゼルダ…豊富なIP(知財)が武器

 今年はVR(仮想現実)元年と言われている。ソニーやサムソンなどの大手メーカーやフェイスブック、マイクロソフトといったIT企業がこぞって、ヘッドマウントディスプレイという顔に装着するタイプのハードをリリースすると見られている。しかし、任天堂はこの動きにも便乗していない。恐らくやりたくなった時に始めるし、やりたくならなかったら永遠にやらないのだろう。  マリオやゼルダ、そして今回のポケモンのような強力なキャラクターのIP(知財)を有している同社は、好きな時に新しいデバイスに対応すればいいという余裕を漂わせている。 <文/大熊将八> 【大熊将八】 おおくましょうはち○瀧本哲史ゼミに属する現役東大生にして、東大・京大でベストセラーの企業分析小説『進め!! 東大ブラック企業探偵団』(講談社刊)著者
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