日本はただの「顧客」だった? 最新鋭戦闘機F35をめぐる駆け引き

豪空軍のF35AライトニングⅡ。米ルーク空軍基地にて。写真:豪国防省。 Image courtesy of Department of Defence

 2017年1月、米空軍は米軍岩国基地(山口県)に最新鋭ステルス戦闘機F35を10機配備する(参照:『朝日新聞』)。米空軍が米国本土を離れてF35を配備するのは初。他6機と合わせて16機の戦隊だ。  広く知られるように、F35はアメリカの軍備大手ロッキード・マーティン(以下ロッキード社)等が開発する高性能ステルス機能を持つ次期戦闘機。「高性能センサーおよびセンサー融合技術、ネットワーク対応型の戦闘能力、高い整備性」(ロッキード社)を備える。(参照:「ロッキード・マーティン社F35公式サイト」)  開発が始まったのは1996年11月。空軍、海軍と海兵隊のいずれにも対応できるように、3機種が同時に製造された。 「今後、もし無人攻撃機(ドローン)が主流になるならば、おそらくF35が最後の有人攻撃機」(米軍関係者)とさえ言われている、最新鋭の有人攻撃機である。
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F35配備の「意味」
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