幻の明星のカップ麺――「カップヌードル」より10年早く試験販売された商品が世に出なかった理由とは?

写真/Yoshinori Koseki

「チャルメラ」「一平ちゃん」「中華三昧」の明星食品

 明星食品は「チャルメラ」「一平ちゃん」「中華三昧」といったブランドでお馴染みの即席麺メーカーで、現在は日清食品の傘下となっています。1950年に奥井清澄氏によって創業され、社名は創業の地の明星台(明星台の由来は『明星学園』があったため)からきています。余談ですが、うどん店チェーンの「味の民芸」や釜揚げうどん「水山」を運営する味の民芸フードサービスも、現在はサガミチェーン系列ですが、以前は明星外食事業株式会社というグループ企業でした。 第67期決算公告 6月10日官報94頁より 売上高:496億4200万円 経常利益:9億4800万円 当期純利益:4億7200万円 利益剰余金:113億5500万円 過去の決算情報:詳しくはこちら http://nokizal.com/company/show/id/1138977#flst  明星食品が看板の即席麺の製造を開始したのは1959年、1960年に初の即席麺「明星味付ラーメン」を発売しています。ちなみに、日清食品の「チキンラーメン」の発売は1958年です。1962年には「シナチク入り明星ラーメン」を発売、当時本格的に台頭し始めた現在の即席麺の標準型でもある『スープ別添』方式の技術を完成させ、業界で存在感を示しました。
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幻のカップ麺「明星チャーシューメン」はなぜ実現しなかった?
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