今回の運河拡張の規模はエジプトのケオプスのミラミッドを2つ建てる量に相当する450万立方mのコンクリートを使い、鋼鉄はエッフェル塔を22塔つくるだけの量を使用したという。(参照:「
OK diario」 )
運河の通航システムは大西洋側からだと3つの閘門を通過して海抜26mに位置するガツゥン湖に到着、そして太平洋側からも3つの閘門とミラフローレス湖を通過して同湖に到着。それから向かう側に船を進めてそれから閘門を下って行く。各閘門室は長さ427m、幅55m、深さ18.3mで、18時間をかけて通航する。
この拡張工事のお蔭で、これまでの〈4500TEUの船までした通航出来なかったのが、12500TEUまで通航出来る〉ようになった。TEUとは20フィートコンテナーで積める数のことである。
これまで〈年間で3億5000万トンの積荷の通航だったのが6億トンにまで増加出来る能力を備えた〉ことになる。(参照:「
El Mundo」)
そして、日本にとって重要なのはLNG輸送船が通航出来ることになったことである。日本は米国の東部から液化天然ガスをパナマ経由での輸入を長年望んでいた。問題は通航料である。これまでもパナマ運河の通航料は頻繁に値上げしていた。通航料が割高だと2週間程度余分に航海日数がかかってもスエズ運河を経由しての輸送の方が原油の価格が下がっている現在では割安になる可能性が充分にある。
コンソーシアムのリーダーになったサシールのマンリケ社長は「(パナマ運河拡張工事は)21世紀の最大のエンジニアリングを駆使した工事であった。建設会社にとって最も象徴的なプロジェクトであり、また最も難しい工事のひとつであった」と述べた。(参照:「
OK diario」)