朴槿恵大統領の「アポロ計画」、時間と予算、さまざまな危険を孕む計画

月周回衛星と探査車(ローヴァー)からなる月探査機

2018年に打ち上げが予定されている月周回衛星。2020年の月面着陸に向けた前哨戦となる Photo by KARI

 ロケットの開発が進む一方で、月探査機の開発もはじまっている。  現在の計画では、2018年にまず、月のまわりを周回する探査機を打ち上げる。この探査機は質量550kgほどと小型で、韓国の技術で十分開発は可能とみられる。あまり知られていないが、韓国の小型衛星の技術は高く、これまで何機も打ち上げられて運用されており、さらに他国への輸出実績もある。また、月の周辺の環境は地球周辺の軌道とあまり違いがないため、ほとんどそのまま流用可能である。  今年4月にはこの探査機に搭載する観測装置の選定も行われている。なお、この探査機の打ち上げには、米国などの他国のロケットを使うという話があるが、詳細は不明である。ただ、2018年にはまだKSLV-IIは完成しないため、他国のロケットを使う以外に打ち上げる方法はない。  また今年2月には、米国航空宇宙局(NASA)と技術協力を行う協定も結んでいる。具体的な内容はこれから話し合われるとされたが、月探査機の通信、追跡などの面で協力を受けることになるという。  また2020年に予定されている月に着陸する探査機と、その着陸から発進し、月面を走行しながら探査する車(ローヴァー)の開発も行われている。このうちローヴァーはすでに試作機が造られ、地上で走行試験が行われているが、着陸機についてはまだ進展はみられない。着陸機は月面のある場所を狙って、エンジンを逆噴射しながら、機体が壊れないようにゆっくりと着陸しなければならないが、韓国にはこの種の宇宙機を開発した実績はないため、大きな挑戦となる。

2020年に打ち上げが予定されている月着陸機。着陸機には月面を走行しながら探査するローヴァーも搭載され、展開される Photo by KARI

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予算と時間、そして政治の「壁」
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