4月10日の投票のあとの調査では大半のメディアがクチンスキー43%、フジモリ39%となっているのを取り上げて、反フジモリ派の動きが依然強いことを強調していた。しかし、ケイコ・フジモリの支持が弱いとされていた首都リマで、彼女への支持率が上昇しているのである。そこは本来ペルーの白人社会や中流層がクチンスキーを支持している地盤である。また、クチンスキーが抱える問題は地方での支持が弱いことである。それは彼には元々選挙キャンペーンの組織が存在しないことを意味する。
一方のフジモリは父親のアルベルト・フジモリ元大統領の支持者層が依然存在している。アルベルト・フジモリは自らの政党を育てるという意思はなかったという。しかし、ケイコ・フジモリは父親への支持者が依然存在しているということに気付いて、フジモリ支持派として組織化させたのである。それが今回の彼女への支持が安定しているという裏付けである。しかも、アルベルト・フジモリ元大統領は、かつてゲリラ組織によって治安が不安定であったのを回復させたという実績がある。フジモリ支持派はケイコ・フジモリも父親が行なったように治安の安定に努めてくれると期待をしているのである。