[円高株安]に備えてポートフォリオを見なおそう
2016.05.30
年始に120円だった米ドル/円は5月に入って105円台半ばまで急落! だが、円高一服と考えるのは時期尚早。円高時代のサバイバル投資術を探った
「ポートフォリオの円高シフトを始めています」
そう話すのは資産2億円の専業投資家www9945氏。日経平均2万円、1ドル=125円が遥か彼方へと遠ざかりつつある今、投資戦略の抜本的見直しが必要になってきているという。
「この数年で投資を始めた人は頭を切り替えたほうがいい。円安・株高で儲けた記憶にとらわれず円高・株安時代に備えた投資方法を身につけておかないと、苦しい時期が続きそうです」
シティバンクなどで為替ディーラーとして活躍した西原宏一氏もこのように警告する。
「5月に発表された’16年3月期の企業決算は円高の影響でふるいませんでした。しかも、今期(’17年3月期)の想定レートを110円に設定している企業が過半数。さらに円高が進めば業績は下ブレするのは必至。日本株には厳しい展開が続くでしょう」
焦点となる米ドル/円の値動き、西原氏はどう予測するのか?
「米ドル/円は大部分、米国側の事情で決まります。アベノミクス以降、米国は円安ドル高を許容してきました。ところが安倍内閣は金融政策ばかりに頼り、肝心の成長戦略は一向に具体化しない。しびれを切らした米国は、自国の産業防衛も兼ねて、円安容認からドル高修正路線へと舵を切ってきたのです」
転換点となったのが上海で今年2月に開催されたG20だ。
「ドル高の修正、つまりドル安誘導への『上海合意』が主要国間で交わされたと言われています。米ドル/円の昨年高値は125円。そこから20%のドル高修正となれば100円ちょうどがターゲット。市場は往々にしてオーバーシュートするため、95円程度までの円高は十分にありえます」(西原氏)
しかし、米国は昨年12月に利上げを敢行。年内にも再度の利上げが予想されている。米利上げはドル高要因となるのでは?
「今回のを除く過去3回の米利上げ局面を振り返ると、利上げが噂されている頃に米ドルは買われ、実際の利上げ後は天井をつけて下げに転じています」と分析するのは昨年秋頃からいち早く“円高転換”を予想していたエモリキャピタルマネジメントの江守哲氏だ。
「ドル円は私が見る限り、過去6回大きな調整局面がありました。最初は’75年12月の306円から’78年10月の177円までの下げ、直近ではリーマンショック前の’07年6月の124円から’11年10月の75円までの下げです。その6回の大きな下げ局面の平均変動率は40%以上。さらに平均調整期間は43か月になります。これを今回の円高相場に当てはめると『2019年1ドル=75円』のターゲットが見えてくる」
1ドル=75円予想で外国株・金・輸入系企業が爆騰気配!
ハッシュタグ