既出情報を総動員して舛添都知事を執拗に叩く日本メディア――江藤貴紀「ニュースな事情」
文春報道では新しい面もある。単に美術展で買い物をしたというだけでなく、実際に足を運んで口を割らせているから立派なことだろう。一方で、報道が事実とすると、気になるのは(不自然なほどの)店舗関係者の口の軽さだ。
すなわち、千葉のホテル関係者の証言がキッチリ取ってあり、政治資金収支報告書に記載の会議は開かれていなかったこと、子供連れで泊まったこと、グレードの高い部屋に宿泊したことが記されている。また美術品については、実際の店舗関係者の証言として「舛添氏担当の店員まで付いています」とある。
もちろん、これも文春記者の口割りの上手さであり、優秀さの証ではある。だが一方で(公人だとしても)、よくもペラペラと常連客のことをしゃべるな、という感も持つ。もし筆者なら、こんなに口の軽い関係者がいて秘密がダダ漏れの店は決して使いたくはない。さらに、公人が落ち目になった途端、それまで語られていなかった情報についてベラベラと証言が出て来るような社会には、生きづらさを感じる。
前回の記事
ハッシュタグ