「円高or円安?」の中長期レートを徹底予測

日本企業のM&A加速。実需を背景に円安は進む

円安派:1ドル=125円 【大倉たかし氏】 豊商事シニアFXストラテジスト。カリフォルニア州立大学卒業。バンク・オブ・アメリカやバークレイズ銀行東京支店副支店長などを経て現職。中長期の相場観に定評 「為替市場を動かすのは実需、つまりは貿易収支。日本は5年連続で貿易赤字だ。つまり、円を売って商品を買う輸入のほうが大きいのだから、実需面から今後も円安になりやすい状況にある。  マイナス金利の影響が本格化するのもこれからだし、アベノミクス円安でしこたま力を蓄えた日本企業が海外へ打って出るのはこれから。日本企業による外国企業のM&Aが活発になれば、これも円安を後押しする要因になるだろう。  一部に「熊本地震で円高が進む」とする見方もあるが、阪神淡路大震災や東日本大震災では直後こそ円高が進んだものの、それが大底になり、その後は円安へと転換している。アベノミクス円安は’15年6月につけた125円を超えていくだろうね。」
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日米金利差拡大と経常収支の悪化が揃うのは初
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