キャンドル・アーティスト、Candle JUNEが渋谷でスイカを売る理由

 熊本地震発生から10日が経った4月24日。キャンドル・アーティストのCandle JUNEさんが渋谷区・代々木公園で開催された地球環境イベントのブースで、熊本から持参したスイカを売っていた。  江口洋介さん、風吹ジュンさん、「湘南乃風」の若旦那さんといった著名人も店頭に並び、小玉3000円、中玉4000円、大玉5000円という値段のスイカ200個がまたたく間に完売した。

売り場を失った熊本産スイカを東京で販売

Candle JUNEさんの呼びかけに多くの著名人が協力、熊本産のスイカを販売した

 熊本県は日本一のスイカの産地。このとき販売されたのは有機農園「のはら農研塾」のスイカだった。もともと県内でほぼ完売するらしいのだが、地震によって県内配送はストップし、行き場を失っていた。  JUNEさんは熊本地震の4日後には支援物資を載せ、最も被害が甚大な益城町などに入って緊急支援活動を行ったという。  そのとき、現地でスイカが出荷できなくなって困っているということを聞き、熊本から東京に帰る車でスイカを搬送。地元渋谷区の名士などに相談しながら販売場所を確保して販売にこぎつけたのだ。  このスイカを育てた熊本市北区の農家「のはら農研塾」は、スイカを主力に、有機農法で野菜を生産し、地域密着したつきあいの中で直販を行ってきた。今年も初物スイカ1000個を熊本県内の顧客に販売する予定だった。  そんな矢先を地震が襲った。代表の野原健史さんの自宅は屋根が壊れ、家中大雨で水浸しの状態だったという。  それでも「旬は止めるわけにはいかない」とスイカの収穫を続けていた。
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被災地から遠く離れていても、できる支援がある
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