第一に、会社が在宅勤務制度を取り入れているならば、積極的に利用すべきでしょう。
テレワークで生産性が下がると言われたのはもはや過去の話。2016年に南フロリダ大の研究者が過去の実験データを精査したところ、在宅勤務は社員のストレスを下げ、結果的に仕事のパフォーマンスが大幅に上がることがわかっています(6)。在宅勤務は、雇用者と労働者の両方に大きなメリットをもたらすわけですね。
もし在宅勤務ができない場合は、仕事中の活動量を増やして通勤のダメージを相殺するしかありません。
筆者のオススメは、立ったまま作業ができるスタンディングデスク(立ち机)です。グーグルやフェイスブックといった企業が導入して話題になった商品で、ここ数年で老化防止に効く可能性が数多く指摘されています(7)。
筆者自身も在宅仕事ではトレッドミルマシンを利用
特に2015年には
岡村製作所がオフィス用のスタンディングデスクを発売。
IKEAからも19,990円の立ち机が売りだされ、だいぶ手に入りやすくなってきました。
また、スタンディングデスクが導入できない場合は、デスクの下に置いて使えるサイクル式のステッパーを使うのも手です。アメリカのベンチャー企業が開発した「
Cubii」などは、ヒザがデスクに当たらないようにペダルの角度が設計されており、仕事中でも好きなだけ運動が可能です(8)。
それも無理な場合は、せめて30~60分おきに立ちあがって15分のウォーキングを行うか、1日8,000歩を目指して歩くといった対策を講じましょう。とにかく日常的な活動量を増やすのが大事です。
長時間通勤で命を削らぬよう、ぜひできるところから始めてくださいませ。
<文/Yu Suzuki>
〈プロフィール〉
月間100万PVのアンチエイジングブログ「パレオな男」(
http://yuchrszk.blogspot.co.id/)管理人。「120歳まで生きること」を目標に、日々健康維持に励んでいる。アンチエイジング、トレーニング、メンタルなど多岐にわたり高度な知見を発信している。NASM®公認パーソナルトレーナー。あまりに不摂生な暮らしのせいで体を壊し、一念発起で13キロのダイエットに成功。その勢いでアンチエイジングにのめり込む。
(出典)
1.Bruno S. Frey, “Stress That Doesn’t Pay: The Commuting Paradox”(2004)
2.Sandow, Erika, “On the road: Social aspects of commuting long distances to work”(2011)
3.Thomas James Christian ”Opportunity Costs Surrounding Exercise and Dietary Behaviors: Quantifying Trade-offs Between Commuting Time and Health-Related Activities”(2009)
4.”Commuting in the United States: 2009 American Community Survey Reports”(2009)
5.Javier Lopez-Zetina, ”The link between obesity and the built environment. Evidence from an ecological analysis of obesity and vehicle miles of travel in California”(2006)
6.Tammy D. Allen, et al, “How Effective Is Telecommuting? Assessing the Status of Our Scientific Findings”(2015)
7.Per Sjögren, et al, ”Stand up for health—avoiding sedentary behaviour might lengthen your telomeres: secondary outcomes from a physical activity RCT in older people”(2014)
8.
https://mycubii.com/shop/cubii/