デスクの上を「無」にして、集中力が上がった投資家のケース
机の上からモノを一切なくすだけで集中力アップ
仕事がうまくいかないと悩んでいる人はデスクが乱雑で、その多くは「集中力がない」と嘆いています。
投資系の仕事をしているクライアントの例を紹介します。
彼は、常に変動する相場を見極めるためには集中力が必要不可欠だということで、数十万円の高額な集中力開発セミナーに通い、トレーニングを行っていました。その話を聞いて気になった私は、彼がいつもパソコンで相場をチェックしているデスクを見せてもらいました。
すると、彼の机にはノートパソコンの両脇に本や書類が沢山積み上げられていました。
そこで私は彼に、「一旦本や書類を机の下に移動させるだけでもいいので、1週間だけデスクにはノートパソコン以外は何も置かないように心がけてみてください」とだけ伝え、それ以外はいつもと変わらず同じように過ごして頂きました。
伊藤勇司
すると1週間も経たないうちに、彼から連絡が来ました。
「伊藤さん、デスクに積み上げていたものを言われた通りに机の下に移動させただけで、集中力が驚くほど上がりました。そのおかげもあってか、判断力も冴え、ここ数日で利益を上げることができました」
机に積んでいたものをデスク下に移動させて、デスクにはノートパソコンだけを置くだけ。1分も、1円もかからない行動です。その単純な環境づくりの行動が、数十万円かけても生み出せなかった集中力と成果を彼にもたらしてくれたのです。部屋を見つめる行為にはお金がかかりません。それだけで驚くべき利益循環が起こるとしたら、素晴らしい費用対効果だと思いませんか?
今後も、ビジネスに役立つ片付け術をお届けしていきたいと思いますので、どうぞご期待ください。<文/伊藤勇司(空間心理カウンセラー)>
【伊藤勇司】
日本メンタルヘルス協会公認心理カウンセラー。引越業に従事していた頃、「部屋と心の相関性」に着目し、1000件以上の現場経験をもとに独自の「空間心理」理論を確立。片づけの悩みを心理的な側面から解決する「空間心理カウンセラー」として2008年に独立。セミナー、講演、セッションをこれまで約7000名に実施。クライアントは主婦から企業経営者、作家などまで幅広い。著書に5万部を突破中の『
部屋は自分の心を映す鏡でした。』(日本文芸社)、『あなたはなぜ、片づけられないのか?』(PHP研究所)。