大手3社のなかで、一番柔軟な対応を見せたのがドコモだ。音声通話の基本プランを増額するauとソフトバンクに対し、ドコモは増額なしのプランを提供することが決定している。
また、契約から2年以内の解約する場合は、違約金が発生するものの、それ以降はいつでも解約できる「フリーコース」と現状通り2年おきに契約を更新する「ずっとドコモ割コース」のどちらかが選べるシステムを採用。
前者の「フリーコース」を選択した場合は、次の更新期間となる2年後まで自由に解約やMNPを行うことができ、契約更新月に以降のコースを再び選択することが可能となる。後者の「ずっとドコモ割コース」を選択した場合、4年以上利用することでパケット通信がお得になる「ずっとドコモ割」が適用されるため、基本使用料を抑えることができるのが特徴だ。
さらに「ずっとドコモ割コース」を選んだ場合は、更新月にdポイントが3000ポイント与えられる。端末代金に割り当てられるほか、途中解約の違約金として利用できるなど、長期利用者に対するお得感を打ち出している。
なお、契約更新月にコース選択を行わなかった場合は、自動的にずっとドコモ割が適用される仕組みとなっている。
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現状のプランだと10年以上の利用が適用対象だったずっとドコモ割が4年以上から適用される。
本来、企業にとって長期に渡って利用してくれるユーザーは、いわば“お得意様”のようなもの。しかし、スマホ業界に限って言えば、長く使えば使うほど、お得感が薄れるといった逆のイメージが定着していた。今回、大手3社から発表された新料金プランは、ユーザーにより柔軟な選択肢を与えてくれることは間違いない。だが、ドコモ以外のプランは、まだ満足できるものではない。今後、他社もドコモのプラン内容に追従することを期待したい。<文・図版/古作光徳>
【古作光徳】
パソコン関連誌の編集部を経て、2006年にライターとして独立。主にパソコンやスマホ、家電関連誌などを中心に活動中。近年は車やバイク、将棋など、趣味関連誌の執筆や編集にも携わっている。