Amazon設立者ジェフ・ベゾスが挑むロケットの「再使用」

Amazon設立者の宇宙ベンチャー「ブルー・オリジン」

ジェフ・ベゾス氏とニュー・シェパード Photo by Blue Origin

 ブルー・オリジンは2000年9月に、インターネット通販大手のAmazon.comを設立したことで知られるジェフ・ベゾス氏によって立ち上げられた。  ネット通販を手がけた次に宇宙開発、というのはかなり飛躍しているようにも思えるが、一度成功した起業家が、次に宇宙事業に乗り出すのは珍しいことではない。たとえばネット決済サービスPayPalの前身、X.comの設立者であるイーロン・マスク氏は「スペースX」という企業を作り、ロケットや宇宙船を次々と打ち上げていることは有名である。  また、ヴァージン・グループのリチャード・ブランソン氏も宇宙事業を手がけており、ホテル王として知られるロバート・ビゲロウ氏も宇宙ホテルの建造を計画している。日本でも堀江貴文氏が、かねてより宇宙事業に投資しており、現在は北海道を拠点にロケット開発を行っている。  彼らが宇宙ビジネスを志すのには、まず根底に宇宙好きということがあるのは間違いないが、おそらく最大の理由は、宇宙はまだ未開拓の分野で、今後大きな成長が見込まれていることにある。  これまで宇宙産業が頭打ちだったのは、宇宙へものを輸送する手段、つまりロケットが非常に高価だったことが大きい。しかし、最近になり安価にロケットを造り、運用する方法ができつつあり、その障壁が取り除かれる可能性が出てきた。  宇宙利用ビジネスというと、現在は衛星写真などのデータ販売や、GPSを利用したサービスなどが中心となっているが、衛星をより安価に打ち上げられるようになれば、その利用はさらに広がることになるだろう。  また宇宙旅行も潜在的に大きなニーズがあるといわれており、さらに人類が宇宙で生活する時代が来れば、その市場規模は計り知れないものになる。  もちろん、衛星の利用拡大はともかくとして、人類の宇宙進出はまだ夢物語にすぎない。しかし、今から数十年前は、インターネットがこれほどまでに生活を変えることになると、いったい何人が予測できただろうか。今、宇宙事業に賭けている人々は、そうした未来の可能性に賭けているのである。
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まるでSF映画に出てきそうな「ニュー・シェパード」ロケット
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