フェルナンデス前大統領 photo/Casa Rosada(CC BY 2.0)
マクリ批判の声を上げたのは、ネストール・キルチネール元大統領の妻であり前大統領のクリスチーナ・フェルナンデス・キルチネール氏だ。
ここ最近の彼女は、自身の政権時代に、スペインとポルトガルから使いものにならない電車を購入し、それに支払った金額が1億ドル(115億円)もかかったことで、支払いを水増ししたのではないかという疑惑を持たれていたほか、彼女の親友である企業家、ラサル・バエズ氏がフェルナンデス政権時に同じような資金洗浄を行っていたことや官僚の汚職が発覚し、袋叩きの状態であった。
しかし、「パナマ文書」が取り沙汰されるようになって、彼女は攻勢に転じてマクリ大統領を批判している。しかも彼女の名前も、亡き夫のキルチネール元大統領もパナマ文書に二人の名前は載っていないというのも彼女を攻勢に出させた理由だ。
結果、4月7日にマクリ大統領は起訴された。これは、マクリ大統領の名前がオフショア企業「Fleg Trading, Ltd」と「Kagemusha」(この名前もあるいみ凄い……)の役員として記載されているという事実をもとに、フェルナンデス前大統領の支持派ノルマン・マルティネス議員とFpV党が、マクリ氏に対し資金洗浄と脱税の疑いがあるとして4月7日に検察側に訴え、それが受理されたものだ。
マクリ大統領はこの2社からは如何なる報酬も受けていないと表明している。特にKagemushaについては現在も存続していることになっている為、マクリ氏は第3者にその運営を信託するとしている。検察側はマクリ氏が単に名目的にこの2つの企業に名を列ねていただけなのか、或いは報酬や利益を享受していたのか調査するとしている。